東北地方太平洋沖地震で犠牲に遭われた方々には衷心より哀悼の意を表し、被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。

東北地方太平洋沖地震で犠牲に遭われた方々には衷心より哀悼の意を表し、被害に遭われた方々には心からお見舞
い申し上げます。
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2011年5月16日月曜日

井上雄彦作 屏風「親鸞」

拙ブログでも何度も取り上げていますように、今年は「宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要」が厳修されています。
私の寺が所属する真宗大谷派(東本願寺)の御遠忌法要も、いよいよ今月末の第三期法要(5月19日〜28日)を残すのみとなりました。
東日本大震災の影響で多少内容等を変更しながらの法要となりましたが、連日多くの参拝者が京都の真宗本廟(東本願寺)に訪れているようです。
今回の御遠忌は記念事業に両堂(御影堂・阿弥陀堂)の御修復ということがありますが、それとは別に最も目玉となっていますのが、漫画家の井上雄彦氏が描かれた屏風絵「親鸞」であります。
井上雄彦氏は『スラムダンク』や『バガボンド』『リアル』など多くの人気作品の作者として有名な漫画家です。
最近では日清カップヌードルのCMで『バガボンド』の宮本武蔵を描いています。
井上氏が今回の屏風絵を描いたのには、「この御遠忌を機に親鸞聖人を描いて欲しい」という宗派からの依頼に応えたことによります。
井上氏は今回この作品に臨むにあたり、まず親鸞聖人の旧跡を訪ねる旅に出られたそうです。
また、昨年の東本願寺の報恩講の御満座に自ら身を置き、親鸞聖人につながってお参りされている方々と時間を共にされました。
相当な重圧を感じられていたが、「今、いのちがあなたを生きている」という御遠忌テーマを共感しながら作品に取り組まれました。
震災前日の3月10日に作品は完成しました。
作品は六曲一双(右隻、左隻ともに高さ2.1メートル、幅5.8メートル)で、4月4日〜4月17日、4月29日〜5月18日まで真宗本廟(東本願寺)の大寝殿で一般公開されました。
4月の一回目の公開では2万人以上の方が訪れたようで、時には2時間待ちということもあったようです。
特に若い方々が多く訪れたようで、お寺としては画期的なことでした。
そういう意味では若い方がお寺を身近に感じ、足を運ぶことができたという意味で非常に意義深かったと思います。

私も先日東本願寺に参拝した折に、実際の作品を拝見してまいりました。
非常に素晴らしい作品でした。
宗派が発刊する『同朋新聞』の4月号には作品について次のように書かれています。

目の前にある、井上が描いた親鸞聖人。右隻には、河を歩く人々の様子が描かれている。さまざまな境遇を生きる民衆と聖人。その表情には、絶望、悲しみ、怒り、またはそのどれでもない感情が見てとれる。一体どこに向かおうとしているのか。
一方で左隻は、二羽の鳥と草と花と蝶、ししてその静寂の中で佇む親鸞聖人。その姿は凛としているようにも見えるが、ほっと安心しているようにも映る。また孤独、寂しさを漂わせているようでもあり、その存在の確かさを主張しているようでもある。静と動、対照的に見えて、また同じようにも見える。
『同朋新聞』4月号
当初、この屏風絵は公開のみでグッズ化する予定はなかったが、井上氏が作品を完成された翌日に東日本大震災が発生したことにより、被災地復興のための救援金を寄付しようということで急遽記念グッズが製作され、5月28日まで東本願寺で販売されています。
(来年3月までは《FLOWER》にて通信販売があるようです)
記念グッズは、ポストカード、ポスター、額入りポスター、ミニ屏風、シリアルナンバー付き屏風レプリカがあります。
屏風レプリカについては即完売と聞いています。
私もポスターとポストカードを購入し、額装しました。
左隻
ポスターを額装しました
ポスターのサイズは(37.5cm☓103.0cm)で1枚1,200円
額入り(7,000円)も販売してますが、私は画材店で額装してもらいました
額入りのものよりも、数倍の経費がかかりました 
右隻 
ポストカードは2枚上下に額装しました
ポストカードのサイズは(11.0cm☓30.2cm)で1枚200円です
また、一般公開最終日の5月18日には「講演 井上雄彦と親鸞 〜最後のマンガ展 大桑プロデューサーが語るその世界〜」という講演があります。

日時:2011年5月18日(水)14:00〜15:30
定員:300名
会場:真宗本廟 視聴覚ホール
《入場無料》

井上雄彦氏最後のマンガ展プロデューサーである大桑仁さんより、井上雄彦氏が描きたかった親鸞聖人とはどのような人物だったのか、どのようにしてこの屏風が描かれたのかといったことが語られます。

今まで親鸞聖人という人物を全く知らなかった方々も、この絵をとおして親鸞聖人にであってみてはいかがでしょうか?

2011年4月30日土曜日

宗祖親鸞聖人750回御遠忌「第二期法要」

真宗大谷派(東本願寺)宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要は当初、第一期法要(3月)、第二期法要(4月)、第三期法要(5月)というかたちで予定されていましたが、東日本大震災の惨事を受けて第一期法要が中止となり「被災者支援のつどい」となったことは拙ブログにて投稿したとおりであります。
しかしその後、法要内容について検討された結果第二期法要、第三期法要については「被災者支援のつどい」の願いを引き継いだかたちで予定通り法要を行う(一部変更あり)こととなりました。
その第二期法要が4月19日〜28日まで厳修されました。
私は過日投稿したように先月の「被災者支援のつどい」に参拝いたしましたが、あらためて御遠忌法要として参拝させていただきました。
御影堂門
御影堂門から御影堂を望む
御遠忌とは50年毎に一度厳修される大切な法要です。
おそらく私の人生で最初で最後の宗祖御遠忌になることだと思われます。
私の3人の子どもたちは800回忌のご縁をいただくことができるかもしれませんが、私同様今回の750回御遠忌が最後のご縁となるかもしれません。
したがって今回は、若坊守(妻)と3人の子どもたちとともに5名揃っての参拝をさせていただきました。
今回は法要でありましたので
子どもの学校の休みの日を選んで4月24日(日)の中日中法座にお参りさせていただきました。
この法座の次第は以下のとおりでした。

真宗宗歌
内局挨拶
感話 札幌大谷高校
法話 延塚知道氏(日豊教区紹光寺)
勤行
伽陀 稽首天人
登高座
表白
伽陀 「一一光明」
御経 「仏説無量寿経」(巻下)
伽陀 「直入弥陀」
下高座
「願生偈」
念仏讃 淘八
和讃 「如来浄華の聖衆は」(次第三首)
回向 「願以此功徳」
災害救援本部からの報告
決意表明
恩徳讃

今回は御遠忌法要としての内容で勤められていましたが、御門首の表白文をはじめ法話や感話の内容はいずれも震災や原発事故のことに触れたものでした。

【表白】
表白文
【宗務総長挨拶】
宗務総長挨拶文
また、今回は宗派からの「決意表明」が述べられました。


【決意表明】
あらためまして、本日、ご参集の皆さまと共に、東北地方太平洋沖地震災害「被災者支援」、宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要にお遇いできましたことを、まことに有り難く受けとめるものであります。
私たちは、このたびの巨大地震激甚災害の只中でお迎えいたしました御遠忌法要において、現代という時代に、はからずも仏教にご縁をいただき、お念仏の教えに基づいて生きる浄土真宗の門徒であることを、あらためて、一人ひとりが問い直す、大事な使命を頂戴いたしました。
震災の痛ましい現実に、日々、支援の思いが込み上げながら、南無阿弥陀仏のはたらきに照らし出されるみずからは、自分の思い・分別の始末に困りはてている、煩悩具足・罪悪生死の凡夫であります。
この惨状に真宗はどのようにはたらく教えだろうかと自問すれば、それ以前にそもそも何か教えが身に付くような自分であるのかと、厳しく問い返されることであります。私たちは、被災者の方々のために何かをするというよりむしろ、何も徹底できない、はなはだ申し訳ない自分である、というところに立ち、であればこそ、決して沈み込まずに、せずにおれないこととして、精一杯の救援活動に取り組むべきでありましょう。
「慣れ」や、記憶の「薄れ」がもたらす危うさ、すなわち「日常性の埋没」・「事象の風化」を、自分の問題として引き受けながら、できるかぎり、救援金を出し合い、物資をお届けし、ボランティア活動などの支援を、具体的に持続していく、継続的な取り組みを行ってまいりたいと思います。今ここに、御遠忌基本理念として掲げてまいりました。
「宗祖としての親鸞聖人に遇う」という言葉を、あらためて受けとめますとき、その意義は、すでにして大無量寿経に「汝、起たちて更に衣服を整え 合掌恭敬して、無量寿仏を礼したてまつるべし」と、真実の教えをもって示されておりました。
被災された方々は、私たちに、人と生まれた悲しみをとおし、共に生きるものが人間である、という大切なことを思い出させてくださいました。
代理のきかない我が身・人生であり、やりなおすことはできません。しかし、共に見直すことはできます。見直すとは、自分の考えのみを正しいこととして、間がらを断ち、常に座り込もうとする怠惰で傲慢な在り方が、教えによって知らしめられ、そこから謙虚に起ち上がり続けることであります。
今こそ、一人ひとりが親鸞聖人に真向かい、これまで分かりきったことにしていた「出遇い」や「つながり」を受け取り直す必要があります。それは、帰依三宝の生活を回復すること、すなわち「如来よりたまわりたる信心」によって成り立つ「方向のある生活」と「真のつながり」を、共に培っていくことにほかなりません。
本日、ご法要にお遇いした私たちとして、「共に念仏申し、起ち上がり続ける」ことを、親鸞聖人の御真影の御前にて表明し、このたびの御遠忌法要における、宗門の決意とさせていただきたく存じます。

この「決意表明」にあるように御遠忌と震災という機縁に遇ったからこそ「念仏に生きる」ということを確かめなければならないと感じさせられました。
御影堂での法要
注)堂内は写真撮影禁止なので堂の外から望遠で撮影しています
阿弥陀堂の荘厳
注)堂内は写真撮影禁止なので堂の外から望遠で撮影しています
また、第二期法要の最終日(4月28日)には約6200名の参拝者があり、「報恩講」以外では50年ぶりとなる「坂東曲」のお勤めもありました。
御影堂をバックに家族で記念撮影
今回の御遠忌の記念事業に両堂(御影堂・阿弥陀堂)の御修復があります。
御影堂は2004年から5年間にかけて御修復工事が行われ2009年に完成して入ります。
今後は2012年より阿弥陀堂の御修復が、1013年より御影堂門の御修復が予定されています。
現在阿弥陀堂には工事用の素屋根がかけれており、新しくなった御影堂の屋根と御修復前の阿弥陀堂の屋根を間近で見学することができます。
阿弥陀堂の屋根
家の子ども(3人)と従兄弟の子ども(2人)
阿弥陀堂の屋根
ご修復された御影堂の屋根をバックに記念撮影
世界最大級の木造建築の御影堂の美しい屋根
さらに第三期法要終了までには各教区から讃仰事業として取り組まれたものや、「御遠忌テーマ表現アート展」の展示などもあり興味深く見学できます。
御遠忌テーマ表現アート展
御遠忌テーマ表現アート展
「スラムダンク」や「バガボンド」の作者、漫画家の井上武彦作の親鸞の屏風を見学しました
これについてはまた別投稿で紹介します
有意義な参拝の機縁をいただき感激しました。

2011年3月29日火曜日

被災者支援のつどい

当初予定されていました本山(東本願寺)での「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要」は東日本大震災の現実と福島原発の深刻な事態を鑑みて第一期法要(3月19日〜28日)を中止しました。
しかし今回の御遠忌法要にかわり真宗本廟(東本願寺)にて「被災者支援のつどい」として法会が開かれました。
当寺院が所属する日豊教区大分市組では第一期法要(3月26日参拝)に団体参拝する予定でしたが、御遠忌法要中止を受けて参拝中止を決定しました。
(大分市組では第2班として第三期法要にも団体参拝の予定があります。)
しかし、当初参加予定されていらっしゃった方の「被災者支援のつどいというかたちになってもどうしても本山にお参りしたい」という声をいただきましたので希望参加ということで参拝をいたしました。
当初200名以上の参加予定者でしたが50名弱の参加希望者があり、団体を縮小してでの参拝を行いました。
当寺院は第2班(第三期法要)に該当していましたが、第一期法要にお参りされたいというご門徒さんが2名おられましたので私を含め計3名でお参りさせていただきました。
(当寺院から第三期法要には20名以上の方が参拝予定です。)
結局今回の「被災者支援のつどい」には、光西寺さんのご門徒さんと当寺院だけの参加となりましたので「光西寺・西福寺団体参拝」という名称となりました。
3月25日〜28日までの3泊4日(船中2泊)、参拝でした。

【行 程】
3月25日(金)
光西寺発(13:00)〜《バス》〜新門司港発(17:00)〜《名門大洋フェリー》〜
3月26日(土)
大阪南港着(5:30)〜《バス》〜本山(真宗本廟)着(8:00)〜「被災者支援のつどい」参拝(9:30〜11:00)〜「みやこめっせ」にて昼食(13:15〜)〜京都市立美術館親鸞展」見学(14:15〜13:15)〜比叡山参拝(16:15〜17:15)〜「ホテル平安の森京都」夕食・宿泊
3月27日
ホテル発(8:45)〜青蓮院参拝(9:00〜9:45)〜東大寺大仏殿参拝(11:00〜12:00)〜奈良市内で昼食(12:10〜)〜法隆寺参拝(14:00〜15:30)〜神戸港発(18:30)〜《フェリーさんふらわあ》〜
3月28日
大分港着(5:50)〜解散

京都は数日前から寒さが厳しい状況だったそうですが、我々が参拝した26日も非常に寒く時折雪が降るような天候でした。
本山(真宗本廟)には8時に到着しました。
修復された御影堂
御遠忌法要に予定されていた能舞台などは使われていません
最初に現在修復を控え素屋根がかけられている阿弥陀堂にて記念撮影を行いました。
その後、阿弥陀堂・御影堂屋根の見学のほか、各教区が取り組んだ御遠忌讃仰事業のブース、御遠忌テーマ表現アート展、御修復のあゆみ展などを見学しました。
御影堂屋根見学から境内の様子
雪が舞ってます
修復された御影堂の屋根瓦
9:30より勤められた「被災者支援のつどい」は以下のような内容でした。

1 真宗宗歌
2 開会のことば(大谷暢顯門首)
3 宗務総長挨拶ー被災者支援のつどいを開催するにあたってー
4 勤 行(同朋唱和)
5 災害救援本部長からの報告ー被災地の現況と支援の報告ー
6 法 話
7 閉会挨拶ー被災者支援に向けてー(宗務総長)
8 恩徳讃斉唱

【開会のことば】(大谷暢顯門首) 
本日、真宗本廟において、宗祖親鸞聖人と、ご参集の御同朋の皆さまと共に、東北地方太平洋沖地震災害「被災者支援のつどい」を開催いたします。 
まず、このたびの激甚災害により尊い生命を奪われた方々に、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災され深い悲しみと大きな不安のなか、今なお苦しい生活を余儀なくされておられる全ての方々に、心からお見舞いを申し上げます。 
このたびの巨大地震・大津波による甚大な被害、そして原子力発電所の極めて深刻な事態により、今、私たち真宗門徒は、この現代を生きる人間の真のつながりを、南無阿弥陀仏の教えから、厳しく問われています。 
今日の「つどい」において、一人ひとりが被災地に思いを馳せ、悲しみを共にすることを願いますとともに、今こうして、宗祖聖人の御真影まします真宗本廟に集う重大な意味を受けとめたいと思います。 
そして、相共に念仏申し、被災地支援の活動を推進いたし、いよいよ自信教人信の誠を尽くし同朋社会の顕現に努めてまいります。 
2011年3月 
真宗大谷派門首 大 谷 暢 顯

【宗務総長挨拶】(要旨) 
3月11日に発生した未曾有の巨大地震と大津波によって、東北・関東をはじめ、国内の広範な地域に甚大な被害がもたらされ、なおかつ、原子力発電所は極めて深刻な事態が続き、今なお全く予断を許さない状況にあります。 
まず、このたびの震災により生命を奪われた、実に多くの方々に、衷心より哀悼の意を表しますとともに、親しい方を亡くされ、また、ご家族の安否もままならず、今なお深い悲しみの中で、苦難の生活を強いられておられる全ての皆さまに、心よりお見舞いを申し上げる次第であります。 
また、このたびの第一期法要中止につき、大変ご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。 
巨大地震、大津波、そして原子力発電所の深刻な事態。かかる激甚災害の現実を厳粛に見据え、全力を挙げて災害救援活動に取り組むため、今回「被災者支援のつどい」として、ここ「真宗本廟(東本願寺)」における法会を開かせていただいたことであります。 
さて、連日の報道からもご承知のとおり、被災地の方々がおかれております状況は、日を追うごとに苦痛を増しております。 
本当に多くの方が、一瞬にして大切な人を亡くされ、それまでの生活の場を失われ、また、未だご家族の安否すらわからず、探す方途もないという、本当につらく、悲痛としかいいようのない毎日を、ひたすらに耐え、懸命に生き抜いておられます。
そのうえ、原子力発電所の深刻な事故に曝され、物資の不足をともなって、重大な危機状況におかれております。 
決して安易に申すものではございませんが、国内外の支援により継続中の救援活動、原発沈静に向けた活動が、いよいよ実を挙げ、一刻も早く、被災された皆さまの安定し た生活が確保され、一日も早い被災地の復興を願わずにはおれません。 
宗派におきましても、震災直後から被災地の寺院・ご門徒をはじめとする現地の状況把握に努め、救援金の募集、救援物資をともなった救援チームの派遣など、直ちにできることから間断なく対策を講じております。今後も、現地での活動は大変過酷なものでありますけれども、力を尽くしてまいる所存であります。 
今回の震災による原子力発電所の極めて深刻な事態は、経済至上・科学絶対主義と表わされる人知の闇が、まさしく露わになった事実であります。
このことは、私たちの生活を根底から問い直させる、たいへん重要な意味をもっておりますことは言うまでもありません。 
まずは、第一に、現在の原子力発電所自体の危機状況が、一刻も早く収束することを願うものであります。
それとともに、刻一刻と脅威が増大する現場に立ち向かい、これ以上の放射能拡散を留めようと尽力しておられる方々に、心から敬意を表したいと思います。
原子力発電所の職員の方々、自衛隊、警察をはじめ実作業に当たられている方々にも、もちろん家族があり友人があることです。
そのなかで、あきらめることなく、文字通り、命がけで作業を続けておられます。
いかに人間が作り出した結果と申しましても、たいへん心を痛める事態であります。 
このような凄惨な事故を生み出す原子力発電所に頼る生活を営んでおりますのは、ほかならない私たちであります。
あらためて、一人ひとりが、原子力に依存する現代生活の方向というものを、考え直さなければなりません。
進歩発展を疑ってもみない私たちの日ごろの心の無明性を、厳しく教えてくださるものは、如来の「はたらき」をおいて他にございません。 
今回の激甚災害により、「念仏の教え」から私たち自身が問われています。
親鸞聖人が顕かにされた浄土真宗を、私たちは、はたしてどのように受けとめてきたのか。
そして、いかに自身の生き様として証していくのか、と。 
私たちは、自らの生活のありようを振り返り、現代という時代状況を作っている一人の人間として、この現実を引き受ける責任があります。
いかに厳しくとも、現実を身の事実として引き受け、歩まねばなりません。 
今、私たちは、何をなさねばならないのでありましょうか。 
この「つどい」において、重ねて、親鸞聖人のお声に耳を傾けたいと思います。 
激甚災害に遭われたすべての方々を、一人ひとりが思いやり、いま自分をこの場所に押し出してくださった方々に感謝しつつ、精一杯の救援活動を行ってまいりましょう。
そして、その基となるべきものとして、親鸞聖人の、「「十方衆生」というは、十方のよろずの衆生なり。
すなわち われら なり」(尊号真像銘文)という言葉を、大切に、大切に、受けとめてまいりましょう。 
被災の方々に思いを馳せ、悲しみを共にすることを願って、いよいよ「人間回復の一道」を証してまいりたいと思います。 
 2011年3月 
                          真宗大谷派宗務総長 安原  晃 

以上のようなご挨拶がありこの「つどい」(法要)の意義をあらためて確かめさせていただきました。

また、被災者支援のつどいに寄せられたメッセージとしてお二方のメッセージが紹介されました。

【宮崎哲弥氏(評論家)】
去る 3月11日に発生した東北関東大震災。
日本人の原風景ともいえる町並みや田畑が津波にのみ込まれていくさまは、私たち自身の大切なものが奪われていくようでした。 
犠牲者の方々に深く哀悼の意を表しますとともに、悲しみの中で避難生活を強いられております皆様に心よりお見舞い申し上げます。 
私は、昨年10月から真宗大谷派が提供しているBS-TBS「こころのすがた」という番組でナビゲーターを勤めさせていただき、各界の方々との対話の中に「現代人の生き方」や「生きるヒント」のようなものを少しでも番組視聴者に感じ取っていただきたいと思ってきましたが、今あらためて、仏教の縁起と慈悲の重要性を痛切に感じています。 
「復興の日」という言葉をまだかんたんには使えないと思います。
それでも共に生きる中で皆さんの心の中に少しずつ希望の光が差し始めることを祈っています。  


【大谷昭宏氏(ジャーナリスト)】

生きていることの無常さを感じる。
去っていった命の無念さを思う。
被災地に降りしきる雪の無情さを恨む。
画面を通じて伝えることしかできない 己の無力さを憎む。 
だが、電気の通じていない避難所には、その伝えたいことさえ届かない。 
どうしよう。どうしよう。
だけど、いまはその無力さを微かな、でも確かな微力に変えよう。 
みんなの微力が集まったとき、微かな灯が一筋の力強い光になることを信じて。


このように各氏からのメッセージも大切な問題提起としていただきました。
被災者支援のつどいの様子
法要変更にもかかわらず、当初予定の7割くらいの方の参詣がありました
堂内各所にモニターが設置されています
「被災者支援のつどい」の趣旨文
「被災者支援のつどい」終了後には晴れ間がでてきました
今回の法要中止から「被災者支援のつどい」開催については宗派内において賛否の声が多々寄せられているのも事実であります。
本山も参拝する私たちも非常に難しい判断を余儀なくされた状況でありました。
50年に一度という大法要に際し、これまでそれぞれの方がそれぞれの思いで数年かけて待ち受けてきました。
そういう意味ではほとんどの方が、「御遠忌法要として予定通りお勤めしたかった」という思いは捨てきれずにいると思います。
しかし今回はまさに未曾有の事態であり、被災者の方々に寄せる思いも皆同じだと思います。
そこで、後ろ髪を引かれながらも50年の一度という機縁に増して、さらに稀有なご縁をいただいたこととしてこの「被災者支援のつどい」に遇わさせていただいたのも非常に意義のあることだと思います。
今回ご参拝された方々も当初の参拝の趣旨とは違ったにもかかわらず、「お参りさせていただいてよかった」と皆さんおっしゃってくださいました。
法要中も非常に寒かったんですが、「被災者の方々のご苦労を思えば・・・」という気持ちが強く不足な感情は全くありませんでした。
今回の惨事はある意味、宗祖のお示しくださった大切な念仏の教えが本当に響いてくるような千載一遇の機縁として、はたらきとして受け止めなければならないのではないでしょうか。

ちなみに、昨日(3月28日)本山より第二期法要(4月19日〜28日)、第三期法要(5月19日〜28日)についても「被災者支援のつどい」の願いを引き継ぎ法要次第及び荘厳を一部変更して厳修するという発表がありました。

2011年3月9日水曜日

大海組お待ち受け法要

ご存知の方も多いと思いますが、本願寺というのは東本願寺西本願寺(いずれも京都市)があります。
世間ではよく「お東」「お西」という分け方をしますが、東本願寺を本山とするのが「真宗大谷派」で西本願寺を本山とするのが「浄土真宗本願寺派」であります。
さらに、大谷派を「大派(だいは)」本願寺を「本派(ほんぱ)」という言い方もあります。
実は浄土真宗というのは伝統的には10派があります。
大谷派本願寺派高田派仏光寺派興正寺派木辺派出雲路派誠照寺派、三門徒派、山元派があり、真宗教団連合というグループで連携をしています。
真宗十派の全寺院数に対して大谷派と本願寺派を合わせると9割以上を占めています。
また、十派からはさらに分離しており、例えば大谷派からは東本願寺派という宗派が分離しています。
大谷派も本願寺派も同様ですが、全国をいくつかの地域ブロックで分けた行政単位を「教区」といいます。
さらに教区をいくつかの地域ブロックに分けた行政単位を「組(そ)」といいます。
当寺院(西福寺)は「日豊教区(福岡県東部と大分県全域)」の「大分市組(一部を除いた大分市)」に所属しています。
本願寺派は大分県全域を「大分教区」といい、大分市と由布市の一部で「大海組」というのがあります。

その大海組が3月2日〜6日にかけて「親鸞聖人750回大遠忌お待ち受け法要」を開催しました。
(※大谷派では「御遠忌(ごえんき)」といいますが、本願寺派では「大遠忌(だいおんき)」といいます)
内容は次のとおりです。

【3月2日〜6日】iichiko総合文化センター アトリウムプラザ
◯ようこそ『あんのん広場』へ
「親鸞聖人と西本願寺」写真パネル展示と仏縁イベント(DVD上映、法話会、仏事相談、腕輪念珠作り、におい袋作りなど)
【3月5日】iichikoグランシアタ、ガレリア竹町
◯稚児行列
◯子どもと親の法要
◯お待ち受け法要
いずれも龍谷大学吹奏楽部の演奏をともなっての法要
【3月6日】iichikoグランシアタ
◯「吉本新喜劇とアジャセの物語」(昼夜2回公演)
『仏説観無量寿経』というお経に出てくる王舎城の悲劇の人間模様を吉本新喜劇が涙と笑いの現代劇にアレンジ
お待ち受け法要のパンフレット
広告欄も含め約70ページ全ページフルカラーの立派なものです
パンフレットの裏表紙
法要プログラム
パンフレット内には組内17の寺院が紹介されています
iichiko総合文化センターでの「あんのん広場」
各寺院の紹介があります
各寺院の紹介
写真パネル展示
写真パネル展示
写真パネル展示
児童絵画作品展
吉本新喜劇の案内
テレビでお馴染みの出演者が勢ぞろい
お経に出てくるお話が現代劇で再現されていました
ビハーラとダーナ活動のパンフレット
吉本新喜劇のタオルが入場者に配布されました
「お待ち受け」というのは本山での法要を前にして、各々が法要をお迎えする姿勢を確かめ、盛り上げていくための機縁となるものです。
大谷派では今月から、本願寺派は来月からそれぞれ御遠忌、大遠忌が勤まります。
今回の大海組の法要は大遠忌直前の大切な法要であったと思います。
その意味にふさわしく大変賑わいのある法要になったようです。
我々の大分市組では以前から本願寺派の大海組や速見組(別府地域周辺)と様々なかたちで交流を深めてきました。
学習会や研修会、イベント(聲明、演劇等)の共同開催の他にも東西野球大会やそれぞれの事業においての参加協力などをしてきました。
今回も「吉本新喜劇〜」のチケット販売に協力させていただきました。
5日の法要にもお参りさせていただきたかったのですが、都合がつかず6日の「吉本新喜劇」のみ伺いましたが、「組(そ)」の単位でこんな大規模な法要ができるのかとその意気込みに圧倒されました。
私たち大分市組も昨年の11月に「お待ち受け大会」を開催しました。
(内容は拙ブログ11月22日「大分市組御遠忌お待ち受け大会」にて掲載)
日豊教区でも08年3月に「お待ち受け法要」を10年5月に「お待ち受け大会」を開催しましたが、いずれも今回の大海組の法要に比べると小規模なものでした。
気持ちが入ってないのか、企画力がないのか、実行力がないのか、もしくは素地が違うのかは不明ですが正直その差に愕然としました。
本願寺が東西に分派して400年以上が経ちます。
その間、両派には様々な相違点ができました。
お内仏(仏壇)も少し違いますし、装束や聲明も微妙に違います。
その体質や性格も特有のもがあります。
最近では本願寺派(お西)の方がメディア戦略が上手だという印象があります。
随分前から大手広告代理店と提携していると聞いています。
大谷派(お東)も数年前から専門業者に関わってもらっているようですが、そのような分野においては全てにおいて後手後手なのは間違いありません。
「お西の方が〇〇で、お東の方は〇〇だ」という見方で批判的要素につながることもあります。
したがって本願寺派の取り組みに対して批判的に見る人も多いですが、内容については差しおきますがメディア戦略を重視しているということはご門徒さんや外に目が向いている証拠であります。
しかし、批判的要素ではなくお互いにそれぞれの良さを引き出しながら連携していくことが大切だと思います。
今回は会場も一般の方の往来も多い場所でしたので、非常に多くの方々にその取り組を目にすることができたと思います。
こういう地道な種まきは、芽を開くことにできる絶対数が増えるということで意義深いものです。

宗祖親鸞聖人750回御遠忌は浄土真宗の教えの大切さを世に示す勝縁、チャンスであります。

この千載一遇の機縁を我々は空振り。

2011年3月8日火曜日

御遠忌讃仰事業設営

いよいよ今月3月19日より「宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要」が勤修されます。
3月、4月、5月と各月19日〜28日までの10日間づつ法要があります。
今月12日にはオープニングイベント「いのちのことばの響舞台」があります。
今回の御遠忌では各教区の讃仰事業が行われます。
私のところが所属する日豊教区では「日豊教区いまむかし」と題してDVDの制作を行いました。
日豊教区の念仏伝承の歴史を紐解き、真宗門徒の生活をあらためて見つめ直す契機となる事業で内容は以下のとおりです。

第一部「九州真宗の源流をたずねて」
〜東九州の真宗伝搬の歴史を検証
古代から続く阿弥陀信仰、平安鎌倉期の阿弥陀信仰、蓮如上人以前の真宗の伝播、石山合戦と豊前豊後の寺々、江戸期の真宗、四日市別院の歴史
第二部「語り継がれる真宗」別府温泉の恵信尼像・蓮如上人の生母伝説
〜当教区にある真宗にまつわるエピソード
第三部「日豊教区の素顔」
〜現代の教区内での取り組みを紹介
四日市別院報恩講、小学生・中高生の集い・勝福寺百日聴聞会など

全編約50分のDVDを作成しました。
私もDVD制作委員会の一人として関わらさせていただきました。
正直大変な事業でしたが、日豊教区を見つめ直す意味で貴重な機縁をいただいと事だと思います。
今回の事業は3月12日〜5月28日まで真宗本廟の阿弥陀堂素屋根にて各教区のブース会場で展示披露されます。(日豊教区は3階北側から3番目のブース)
阿弥陀堂素屋根
主にこの素屋根内の2階、3階が各教区のブースとなっています
北側(右)と南側(左)にエレベーターがあります
展示ブースとなっていますので今回はDVDの内容の第二部(約10分)のみを放映し、あとは内容の写真をパネル展示にしました。
3月4日(金)、ブース設営のため制作委員の荷堂さんと私の二人で上洛してまいりました。
期間中、日豊教区内外の多くの方の目に触れていただければありがたいと思っています。
是非、参拝の際はお寄りください。
設営作業中の様子
ブース正面
第一部のパネルとDVD上映スペース
ブース左側(北面)
第二部のパネル
ブース右側(南面)
第三部のパネル
日豊教区ブースの全容
素屋根3階
御遠忌終了後より修復工事に入る阿弥陀堂の現屋根がよく見学できます
この素屋根は阿弥陀堂北側にある御影堂の修復時に使用していたものを移動したものです
素屋根の外では、先に修復を終えた御影堂の屋根を見学できます
間近で見るとすごいです
日豊ブース隣の四国教区のブース
この日我々より後に作業に来ましたが、我々よりも早く作業終了しました
既にこの日より前に設営を終えていた三重教区のブース
蛤の貝殻で正信偈120句を作成していました
とても素敵な展示でした
三重教区の蛤アート
能登教区のブース
奥羽教区のブース
作業を終えて荷堂さんと記念の一枚
設営作業は朝9時半くらいから夕方16時くらいまでかかりました
時折雪の舞う寒い一日でした