東北地方太平洋沖地震で犠牲に遭われた方々には衷心より哀悼の意を表し、被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。

東北地方太平洋沖地震で犠牲に遭われた方々には衷心より哀悼の意を表し、被害に遭われた方々には心からお見舞
い申し上げます。

2011年5月16日月曜日

井上雄彦作 屏風「親鸞」

拙ブログでも何度も取り上げていますように、今年は「宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要」が厳修されています。
私の寺が所属する真宗大谷派(東本願寺)の御遠忌法要も、いよいよ今月末の第三期法要(5月19日〜28日)を残すのみとなりました。
東日本大震災の影響で多少内容等を変更しながらの法要となりましたが、連日多くの参拝者が京都の真宗本廟(東本願寺)に訪れているようです。
今回の御遠忌は記念事業に両堂(御影堂・阿弥陀堂)の御修復ということがありますが、それとは別に最も目玉となっていますのが、漫画家の井上雄彦氏が描かれた屏風絵「親鸞」であります。
井上雄彦氏は『スラムダンク』や『バガボンド』『リアル』など多くの人気作品の作者として有名な漫画家です。
最近では日清カップヌードルのCMで『バガボンド』の宮本武蔵を描いています。
井上氏が今回の屏風絵を描いたのには、「この御遠忌を機に親鸞聖人を描いて欲しい」という宗派からの依頼に応えたことによります。
井上氏は今回この作品に臨むにあたり、まず親鸞聖人の旧跡を訪ねる旅に出られたそうです。
また、昨年の東本願寺の報恩講の御満座に自ら身を置き、親鸞聖人につながってお参りされている方々と時間を共にされました。
相当な重圧を感じられていたが、「今、いのちがあなたを生きている」という御遠忌テーマを共感しながら作品に取り組まれました。
震災前日の3月10日に作品は完成しました。
作品は六曲一双(右隻、左隻ともに高さ2.1メートル、幅5.8メートル)で、4月4日〜4月17日、4月29日〜5月18日まで真宗本廟(東本願寺)の大寝殿で一般公開されました。
4月の一回目の公開では2万人以上の方が訪れたようで、時には2時間待ちということもあったようです。
特に若い方々が多く訪れたようで、お寺としては画期的なことでした。
そういう意味では若い方がお寺を身近に感じ、足を運ぶことができたという意味で非常に意義深かったと思います。

私も先日東本願寺に参拝した折に、実際の作品を拝見してまいりました。
非常に素晴らしい作品でした。
宗派が発刊する『同朋新聞』の4月号には作品について次のように書かれています。

目の前にある、井上が描いた親鸞聖人。右隻には、河を歩く人々の様子が描かれている。さまざまな境遇を生きる民衆と聖人。その表情には、絶望、悲しみ、怒り、またはそのどれでもない感情が見てとれる。一体どこに向かおうとしているのか。
一方で左隻は、二羽の鳥と草と花と蝶、ししてその静寂の中で佇む親鸞聖人。その姿は凛としているようにも見えるが、ほっと安心しているようにも映る。また孤独、寂しさを漂わせているようでもあり、その存在の確かさを主張しているようでもある。静と動、対照的に見えて、また同じようにも見える。
『同朋新聞』4月号
当初、この屏風絵は公開のみでグッズ化する予定はなかったが、井上氏が作品を完成された翌日に東日本大震災が発生したことにより、被災地復興のための救援金を寄付しようということで急遽記念グッズが製作され、5月28日まで東本願寺で販売されています。
(来年3月までは《FLOWER》にて通信販売があるようです)
記念グッズは、ポストカード、ポスター、額入りポスター、ミニ屏風、シリアルナンバー付き屏風レプリカがあります。
屏風レプリカについては即完売と聞いています。
私もポスターとポストカードを購入し、額装しました。
左隻
ポスターを額装しました
ポスターのサイズは(37.5cm☓103.0cm)で1枚1,200円
額入り(7,000円)も販売してますが、私は画材店で額装してもらいました
額入りのものよりも、数倍の経費がかかりました 
右隻 
ポストカードは2枚上下に額装しました
ポストカードのサイズは(11.0cm☓30.2cm)で1枚200円です
また、一般公開最終日の5月18日には「講演 井上雄彦と親鸞 〜最後のマンガ展 大桑プロデューサーが語るその世界〜」という講演があります。

日時:2011年5月18日(水)14:00〜15:30
定員:300名
会場:真宗本廟 視聴覚ホール
《入場無料》

井上雄彦氏最後のマンガ展プロデューサーである大桑仁さんより、井上雄彦氏が描きたかった親鸞聖人とはどのような人物だったのか、どのようにしてこの屏風が描かれたのかといったことが語られます。

今まで親鸞聖人という人物を全く知らなかった方々も、この絵をとおして親鸞聖人にであってみてはいかがでしょうか?

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