これで、3月に全線開通した九州新幹線鹿児島ルートと合わせ、青森〜鹿児島までが新幹線で繋がりました。
九州新幹線鹿児島ルートは震災翌日の3月12日に開通しましたので、予定より50日遅れの日本列島全線開通ということになりました。
日本の鉄道網の凄さを感じます。
ところでこの九州新幹線鹿児島ルートについてですが、九州以外の人には馴染みがないかもしれませんので、ちょっと説明いたします。
九州新幹線の鹿児島ルートとは博多〜鹿児島中央間を結ぶ256.8kmの線であります。
博多〜新鳥栖〜久留米〜越後船小屋〜新大牟田〜新玉名〜熊本〜新八代〜新水俣〜出水〜川内〜鹿児島中央という駅を通過するルートです。
ちなみに、新八代〜鹿児島中央間は2004年に開通していました。
九州新幹線鹿児島ルート |
最短所要時間は博多〜鹿児島中央間が1時間19分、博多〜熊本間が33分、新大阪〜鹿児島中央間が3時間45分となっています。
九州新幹線ができるまでは博多〜鹿児島間が3時間40分かかっていましたので、実に2時間以上の短縮となったわけです。
博多〜熊本間も40分の短縮となりました。
このことからもかなり便利になったということが分かります。
しかし、このように便利になると途中の地域が素通り地域となり潤わなくなってしまうという負の面も指摘されます。
福岡ー鹿児島間のビジネスでは、日帰りの仕事が当たり前となり、宿泊者が減ってお金が落ちないともいわれています。
まあ、福岡のような地方の中核都市は人が集まるので随分恩恵を受けると思います。
ところで私の住んでいる大分市はいわゆる東九州という地域であり、九州新幹線を利用する機会が多い地域ではありません。
福岡(博多)に行くならば鉄道だとJR日豊本線(小倉経由)の特急ソニックが早く、最短時間で1時間59分となっています。
大分〜福岡(天神)間をだいたい2時間〜2時間15分くらいで行く高速バスもあり、便数や運賃の面でJRより利用者が多いかもしれません。
熊本に行くならば大分〜熊本間を結ぶJR豊肥線というのがありますが、最短でも2時間46分かかります。
私の場合だと熊本や鹿児島なら鉄道路線に利便性を感じないので、車で行くことの方が多いです。
関西方面に関しても日豊本線で小倉まで行き、小倉から山陽新幹線を利用するというのがオーソドックスな行き方です。
新大阪〜大分間の最短所要時間が3時間47分(乗り換え待ち時間を含む)、小倉〜大分間は最短で1時間18分となっています。
九州の地形を知らない方には分かりにくいかもしれませんが、博多〜鹿児島中央間(新幹線)と小倉〜大分間がほぼ同じ時間というの驚きです。
さて、この九州新幹線の全線開通にあたってCMが流れていますが、そのCMの中で「九州が、ひとつになる。」というキャッチコピーがあります。
これは、私だけの感想ではなく多くの方が言っていますが、東九州の人間にとっては「九州がひとつになった」という思いは全くありません。
東九州はJRでいうと日豊本線沿いの地域で、北から福岡県東部、大分県、宮崎県は本当に九州では取り残された地域です。
新幹線どころか高速道路の整備も遅れています。
東九州の南北の高速道路はとぎれとぎれで、いつ全線がつながるのだろうと思います。
九州の高速道路網 |
大分の場合、県庁所在地の大分市から空港が非常に遠く空路の利用に対しても不便です。
佐賀県や長崎県は高速道路も早く整い、新幹線については九州新幹線の長崎ルート(西九州ルート)の開通も予定されています。
福岡という九州の第一都市の位置関係から致し方ない部分も認めないわけにはいきません。
これは、政治家の力の問題もあるのでしょうか。
今回の震災で首都圏(東京)一極集中への問題が再燃しています。
地方分権化も必要だといわれていますが、地方の弱みは交通網の成熟度が低いことです。
特に大分県のように九州という中でも「地方の中の地方」にあたる地域は本当に不便です。
田舎は車が不可欠です。
高齢者も車に乗らなければ生活できません。
ということで、今日のブログで言いたかったことは田舎の交通網の整備の実現とJRの九州新幹線のCMの変更を求めるということであります。
実はJR九州にCMの件で内容を不服とする旨のメールを送りましたが、反応がありません。
単なるクレーマーと思われて終りとなりそうです。