日本赤十字社と中央共同募金会にこれまで寄せられた義援金の総額は1100億円を超え、阪神大震災の時と比べても数倍早いペースということらしいです。
また、その他のところに集められた義援金や救援物資を含めると本当に多くの方々からの支援の気持ちが届けられているということです。
芸能プロダクションのジャニーズのタレントらが取り組んだ「Marching J」という被災者支援プロジェクトでは3日間で約39万人もの方々が集結して支援活動を行ったというのは驚きです。
その他の著名人やスポーツ選手の活動や呼びかけも大きな力になっているようです。
個人で多額の義援金をする方もいます。
石川遼(今季の賞金全額寄付)、イチロー(1億円)、松坂大輔(8000万円)、松井秀喜(5000万円)、ダルビッシュ(5000万円)らのスポーツ選手も多額の義援金を送っていますし、久米宏(2億円)、SMAP(計4億円)、宇多田ヒカル(8000万円)、安室奈美恵(5000万円)、海外からはレディー・ガガ(1億2000万円)、ペ・ヨンジュン(7300万円)など、いくら高収入とはいえすごい額です。
各企業もかなりの義援金を送っていますが、ユニクロの柳井会長、楽天の三木谷社長はいずれも個人で10億円、極めつけはソフトバンクの孫正義社長がなんと100億円を個人で送っています。
しかしなんといっても、高額でなくても本当に一人ひとりが精一杯の気持ちを込めて送ったものが積み重なって大きな支援の輪になっていることが素晴らしいことであります。
こういった状況の中で、信じられないことに義援金を盗むという事件が相次いで起こっています。
それとは別に、義援金詐欺も起きています。
今回の震災の日本人の対応は世界的にもかなり評価されて、せっかく「さすが日本人」と思われていたのに残念です。
やっぱり世の中には不届き者がいるんですね。
実際には被災した家に盗みに入ったり、壊れた車両からガソリンを抜いたりという細かい事件も起きているみたいです。
さて、拙ブログ3月16日「東北地方太平洋沖地震と義援金」でも記しましたが、義援金に関わる諸問題はたくさんあります。
私のお寺が所属する真宗大谷派も「災害救援金」として募金活動を行っています。
先日の本山(東本願寺)での「被災者支援のつどい」でも各所に大きな「災害救援金」の箱がおいてありました。
ちなみに「被災者支援のつどい」の団体参拝の際に参拝した奈良の東大寺や法隆寺ではあれだけの観光客が来るお寺にもかかわらず、とても小さな義援金箱が数個あるだけでした。
元々奈良仏教の寺は鎮護国家のために建てられたものということを考えると積極的に支援活動をしてもよさそうなんですが、それに反してあまり積極性が見られなかったのは意外というよりもガッカリしました。
真宗大谷派の話に戻りますが、宗派で募っている「災害救援金」の方途がちょっと気になったので春の彼岸前に本山宗務所に問い合わせをしました。
結論としては「まだ決まっていない」ということでした。
「じゃあ阪神大震災や中越地震の時はどうしたんですか?」と問い返すと、「該当教区に見舞金、被災した寺に見舞金を、その他‥‥」ということでした。
当寺院も真宗大谷派に所属する寺院として、同じ仲間が困っている状況に支援の手を伸ばしたいという気持ちは十分ありますが、今回の震災の深大さを思うと「同志だけ助かればいいのか?」という疑問点もあります。
そういう迷いもありますが、私の取るべき態度としては、結局はどちらのかたちでも支援をさせていただこうということに落ち着きました。
しかし、気持ちの比率は全ての被災者に公平に分配することができる機関への割合が明らかに大きくあります。
義援金を公平に取り扱うことのできるいくつかの機関がありますが、その中でも最も大きな機関が「日本赤十字社」であります。
義援金については未だ被災地に行き届いていないということが疑問視されてるようですが、一戸あたりの分配はまだでも既に医療支援や物資支援など多方面にわたって支援活動がなされています。
一方、日本赤十字社に対して疑惑の目をもっている人がいるのも事実です。
例えば運営経費が義援金から差し引かれているとか、天下りの職員がいるとか、職員の優遇がすごいというような指摘があるようです。
ちなみに日本赤十字社はスイスに本部をおく国際組織であり、政府とも関わりを深く持っている団体です。
特殊法人であり、皇后陛下(美智子皇后)が名誉総裁で代表者は旧皇族関係の方が着くなどもともと宮内庁と密接な関係のある団体のようです。
また、各都道府県にある支部の代表も知事が務めることが多いようです。
天下り、待遇など件は改善すべき点はあるでしょうが、もともとこの団体の活動は社員と称される個人や企業などの献金で成り立っています。
つまりサポーターみたいな会員が大勢いるということです。
今回集められた義援金については一銭も運営経費に当てられることは決してありません。
全額義援金として使用されるようになっています。
実績もさることながら非常に多くにネットワークを持っている団体で、私は最も信用のおける団体だと思っています。
被災者一戸あたりいくらというような段階にないことは事実のようですが、尊い義援金が間違いなく有効に扱われると思います。
少し前の話になりますが、当寺院の春季彼岸會法要より義援金箱を設置しましたが、その際2つの義援金箱を設置しました。
1つは真宗大谷派が募っている「災害救援金」、もう1つは「義援金」(日本赤十字社に届ける旨)です。
支援くださる方の意志に合うように選択いただきたいということからこのようにしました。
この前投稿したブログ「東北地方太平洋沖地震と義援金」でも申しましたが、集めた義援金の行き先を明示することと強要的にならないような配慮が必要であります。
2つの義援金箱 (右)東本願寺(本山)へ届ける「災害救援金」 (左)日本赤十字社へ届ける「義援金」 |
義援金に関する断り書き 既に別所で済ませられている方には強要しない旨の一文があります |
最後はどこに持って行くくらいのことは言わないと反則です。
そういう意味では本山(真宗大谷派)の集め方も如何なものかと思います。
ましてや、同志が助かればいいみたいな同族意識が強いやり方は「同朋社会の顕現」を謳う真宗大谷派なる教団としてはあるまじき態度ではないかと思っています。
結局、当寺院の義援金箱は日本赤十字社に届ける方が額面において軍配が上がりました。
額面を勝負するのは非常にナンセンスですが、常識的な判断がなされたと思っています。
もちろん「災害救援金」の方は先日の「被災者支援のつどい」にお参りさせていただいた折に本山(東本願寺)に設置されていた「災害救援金」箱に入れてきました。
皆さん、義援金は無闇無鉄砲にするのではなく、慎重な判断のもと投じるところを選ぶくらいのことは心がけましょう。
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