東北地方太平洋沖地震で犠牲に遭われた方々には衷心より哀悼の意を表し、被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。

東北地方太平洋沖地震で犠牲に遭われた方々には衷心より哀悼の意を表し、被害に遭われた方々には心からお見舞
い申し上げます。

2011年4月10日日曜日

大分市中央仏教会「花まつり」

4月8日は「花まつり」でした。
ご存じの方がどれほどいらっしゃるかはわかりませんが、お釈迦様の誕生を祝う仏教行事であります。
「灌仏会」や「降誕会」というような呼び方もあります。
お釈迦様の誕生については明らかでない部分もありますが、日本では北伝仏教の流れをくんで中国の旧暦4月8日を誕生の日としています。
ちなみに南伝仏教ではインドの太陽太陰暦から2月15日としているようです。

お釈迦様は今から二千五百年ほど前、カビラ国(現在のインド北部)の王子(父はシュドーダナ、母はマーヤ夫人)として誕生されました。
百花咲き乱れるルンビニー園の無憂樹のもとでお生まれになりました。
お釈迦様の誕生時には誕生をお祝いした天の神々、梵天、帝釈天が、甘露をそそいでお身体を清められたという言い伝えにより、降誕会には花御堂の誕生仏に甘茶をかけるのです。
お釈迦様はお生まれになってすぐに七歩進まれ右手で天を指し、左手で地を指し「天上天下 唯我独尊」とおっしゃいました。
もちろん事実ではなく、エピソードとして語り継がれているだけです。
しかし、このエピソードには仏教の大切な意味を含んでいます。
「天上天下 唯我独尊」というのは「天の上にも天の下にも(この世において)ただ我ひとりにして尊し(無上尊となるべし)」ということです。
お釈迦様が「この世において私だけが尊い」とおっしゃったのではありません。
「この世において私という存在はひとりしかいなからこそ尊い」という意味です。
私には代わりとなる人がいないんです。
「無上尊」というのは上が無いくらい尊い(当然下も無い)ということですから、比べられないということです。
「人間は皆、比べることなく無条件でひとりひとりが尊いんです」ということです。
また、七歩進まれたというのにも意味があります。
七歩ということは、当たり前ですが六歩を超えたということです。
仏教には六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上)という人間の迷いの世界が説かれていますが、七歩ということは六道を超えるということなんです。
迷いの世界を超えて仏の世界、すなわち浄土に生まれるということです。
拙ブログのタイトル(「往生のススメ」)にもありますように、浄土に生まれるということが「往生」ということです。
人間は迷いの存在ですが、迷いの中にあっても着実に往生の道を生きることが仏道であります。
このことを示すためにお釈迦様の誕生がエピソードとして語り継がれてきたのです。
そして、その私たちにとって大切なことをお示しくださったお釈迦様の誕生を仏教徒としての喜びとして祝ってきたのが「花まつり」です。

昨日、4月8日は相変わらずですが、この「花まつり」がマスメディアなどで取り上げられることはほとんどありませんでした。
キリストの誕生とされる12月25日のクリスマスはあんなに世間で大騒ぎをするのに、この冷ややかさは何なんでしょう。
明らかに仏教徒のほうが多い日本でこんなことでいいのでしょうか?
情けない気持ちでいっぱいですが、どうしてこうなったのか理解に苦しみます。
今や年配の方でも「花まつり」を知らない方が多いのに驚きます。
私たち仏教関係者の努力不足も認めないわけにはいきませんが、マスメディアの資質も問われるべき問題だと思います。
今年私が気付いた中で、メディア関係でこの花まつりについて触れていた唯一のものは、4月6日の「笑っていいとも」でタモリがゲストとの会話の中で「4月8日はお釈迦様の誕生日」と言っていたことだけです。

大分には大分市中央仏教会(現大分市全域を対象とした組織ではありません)というのがありまして、宗派をこえて活動している会があります。
大分市中央仏教会では毎年「花まつり」の行事を行っています。
今年も4月8日の午後大分市中心部にて「花まつり」を行いました。
大分市末広町の光西寺(真宗大谷派)を出発地にして、セントポルタ中央町〜ガレリア竹町〜トキハ前〜大分駅前〜光西寺、というように市内中心部を1時間半ほど練り歩きました。
今年は東日本大震災の直後でもありましたので、震災の復興義援金を募金いたしました。
近年大分市中心地の人通りが少なくなってきたということもあるのでしょうが、残念ながら結果として我々の意気込みが伝わるような盛り上がりは見られません。
しかし、毎年工夫を凝らして取り組んでいます。
続けることの大切さもあります。
これからも地道ながらアピールし続けていかなければならないと思います。
光西寺本堂でのお勤め
この日はあいにくの雨でしたので、本堂内で行いました
大分市中央仏教会、大友滋会長(光西寺住職)のご挨拶
光西寺境内の桜もほぼ満開でした
セントポルタ中央町を練り歩く
花御堂を背に乗せた白ゾウ
花御堂の誕生仏
この誕生仏に甘茶をかけるので「灌仏会」といいます
震災の復興義援金を募金しました
ガレリア竹町でのお勤め
義援金をいただきました方々には心より御礼申し上げます
子どもたちの灌仏の様子
灌仏くださいました方々には記念に腕輪念珠をさしあげました
我々の活動に対して商店街の方からお茶の差し入れをいただきました
ありがとうございました
トキハ前での活動

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