前ブログにて、初詣について述べましたが、お正月にあたってもう一点気になることがありますので投稿いたします。
それは、「門松」と「しめ縄」についてです。
両方とも正月には付き物のアイテムと考えられ、縁起物として何気なく飾られる方も多いかと思います。
それぞれのもつ本来の意味を確かめてみます。
「門松」
門松とはその年の家の神(歳神)を招き入れるための目印となる依り代として玄関や門に飾られるものであります。
「しめ縄」
神の宿る神聖な場所と汚れた世間界の教会をあらわすためのものであります。
しめ縄をつけることによって、邪気や悪気、不浄なものを寄せ付けないという意味があります。
このように「門松」も「しめ縄」も神道、神事に関わる習慣であります。
ですから仏教徒や真宗門徒には全く必要のないものであります。
浄土真宗では歳神も招く必要はありませんし、除災招福をしません。
そういう意味ではお正月というのは除災招福の縁起担ぎみたいなのが本当に多いです。
いうならば「おせち料理」なんかも除災招福の語呂合わせのメニューが詰め合わさったものであります。
ただし「おせち料理」は、正月期間に店も開いてなく台所仕事を休めるために工夫された料理であることとして、理にかなっていることも確かです。
しかし、多くの日本人は「神も仏も大事だから」といって、こんな説明をしても「門松」や「しめ縄の」廃止論に納得しないと思います。
このブログをご覧になって、真宗門徒だから、来年からは「門松」も「しめ縄」も使わないと全員の方が思うとは考えられません。
それでは別のことを問題視します。
大分市では(もしかしたら大分県全域かもしれませんが)年末の市報と一緒に紙に「賀正」の文字と門松の絵が印刷されたものが2枚づつ配布されます。
たて約25cm×よこ約9cm 何十年もこの「紙の門松」が年末に配布されます |
聞くところによると、大分以外のいくつかの県や市町村でもこういった習慣があるようです。
ちなみに2005年の末に高知市では廃止したようです。
当時、廃止に対して反対の声も強くあったようです。
私としては廃止は当然だと思います。
明らかに公(自治体)が特定の宗教(神道)をバックアップしている構造です。
紙の門松を作ったのは全部が公(自治体)ではないかもしれません。
大分で配布されるものは「財団法人 大分県森林整備センター」と「大分市」の記載があるので、少なからず大分市が経費を負担していると考えられます。
(この裏には、この紙の門松を請け負った印刷会社などの利権が絡んでいることも噂されています。)
ましてや各自治会を通して配布されるということは、公的ネットワークを利用しているわけです。
私の住んでいる自治会ではこの紙の門松の他にある神社の「初詣」の案内まで配布されます。
こんな案内を自治会を通して配布していいんでしょうか? |
真宗教団連合の「法語カレンダー」 |
2011年、当寺院の「御正忌報恩講」ご案内チラシ |
このように世間の風習や習俗といったものには、世間では何気なく振舞われていることが多く、その意味が必ずしも全員に理解されているわけではありません。
ましてや社会的な操作に影響して定着していることも大いに問題視すべきではないでしょうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿