仏華とは仏前に供える花のことであります。
真宗大谷派の仏花は、長く池坊の立花(たてはな)に源を発し、現在のような仏華として発達してきました。
普通の生花や、盛花、投げ入れ等とは趣を異にしたいわゆる立花式の挿し方を正式とします。
江戸期には池坊との交流があり、その代表たる人が尊前の立花を立てたという事実もあるようです。
ちなみにそもそも池坊のいけばなというのは、仏前に供えるための花を形式化したものであります。
原則的には立花と同様に九つの役枝を基本といたします。
九つの役枝とは、真、正真、副、受(請)、流枝、控(扣)、見越、胴、前置というものであります。
この役枝にあしらいとなる役枝を加え複合的にバランスよく挿し交えて、仏教的宇宙観を表現いたします。
九つの役枝 |
また、豪華に見せたり、すっきりとしたりいろいろな形で表現できると思います。
そのお寺お寺での立て方もあると思います。
さて、当寺院の仏華についてです。
昔はどこのお寺でもそうでしたが、お寺の仏華を立てるグループに「華講」さんという方々がいました。
現在も華講があるお寺もありますが、残念ながら当寺院は何十年か前になくなりました。
現在はご門徒の方にお手伝いいただき、私が仏華を立てています。
一日半から二日間の作業となります。
以下、今年の仏華を紹介します。
まずは幹となるボクを組み立てます(中尊一対) |
右が祖師前のボク 中が御代前、左が余間で真を立てた状態 |
中尊用の五葉松 |
祖師前用の三光松 |
胴に使うことぶき松 |
花材はご門徒の石田生花店さんに用達いただいてます |
主要となる役枝を配置した状態 (中尊一対) ボクに松の葉をつけていきます なるべく自然な松の枝ぶりに見せかけるのが難しいです |
主要となる役枝を配置した状態 (祖師前、御代前、余間) |
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