東北地方太平洋沖地震で犠牲に遭われた方々には衷心より哀悼の意を表し、被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。

東北地方太平洋沖地震で犠牲に遭われた方々には衷心より哀悼の意を表し、被害に遭われた方々には心からお見舞
い申し上げます。

2011年5月30日月曜日

子どもとネット社会

近年では、携帯電話やインターネットを利用する子どもたちが非常に多くなりました。
特に携帯電話は、塾や習い事などに通う時などに連絡をとるために子どもたちに持たせるという理由が多いと思います。
しかし非常に便利な半面、危険性をともなうなどのリスクもあります。
現にいろいろな犯罪に巻き込まれたりすることもあります。
正直、大人でも携帯電話やインターネットの利用方法を間違うとトラブルにあいます。
まあ、大人は自覚をもって関わるしかないのですが、子どもたちは大人が教えてあげないとわからない部分があります。
PTA関係の研修や会合などでもこのことが問題視されています。
私が関わっているPTAの昨年(10月)の「全附連全国大会でも「情報社会と子どもたち」という分科会テーマで研修が行われました。
その時に講師された尾花紀子さんが、先日大分で開催された「第1回ケータイ甲子園」という大会の審査員をされていました。
せっかく大分におみえになられたということで、長男の通う中学校のPTA役員さんの計らいで尾花さんによる役員研修的な小規模のセミナーが開催されました。(5月22日)
私は小学校のPTA役員をさせていただいておりますが、中学校の役員さんからお誘いいただいたので参加させていただきました。
尾花さんは大変お忙しいスケジュールの中、昨年の全国大会のご縁ということで無理に時間を最ていただきました。
ネット教育アナリストの尾花紀子さんは日本IBMに21年間勤務され、その間IT関係のマーケティング、プロモーション、コンサルティングなどを手がけられました。
2005年のIBM退社後、ITをコーディネートする「ビジネスコンシェルジュ」という新種目を提唱しご自身がその第一人者でもあります。
2007年には内閣府認証の特定非営利活動法人「ユニバーサルハート」を設立するなど、内閣府や諸機関の委員を数多く歴任されています。
IT関係の解説や講演などで多岐にわたってご活躍されています。
(※尾花さんのHP「Frey」参照)

今回は「子どものネットとケータイを考える」ということでお話いただきました。
お話の内容を要約してまとめてみました。
尾花紀子さん
携帯電話やインターネットというのは非常に便利なツールであり、特に今回の東日本大震災の災害状況下役に立った事例を多く残しています。
そういう便利なものでありながらその反面、使い方により多くの問題が生じてきます。
最近はルールを守らない大人が多く、規範意識のない日本社会という現実がみえます。
そういった大人をみて子どもは育ちます。
ケータイやネット社会も関わり方のルールを守らなければ多くの問題が生じるということを大人が子どもに示す必要があります。
子どもたちからケータイを一切取り上げて危険から守るというという方法もありますが、子どもたちの安全を守るのもケータイのメリットということを考えると、正しい使い方を教える方が賢明であります。
特に最近では「フィルタリング」(子どものアクセス等を制限)というサービスがあるので、それをうまく活用するといいです。
フィルタリングにも段階があり一番ゆるい設定だと「EMA認定サイト」(運用監視機構が認定)はアクセスできます。
全面的にアクセスを遮断するのではなく、安全なサイトと危険なサイトを見分ける能力を養うことが後々(大人になってから)にも役立ちます。
「EMA認定サイト」のように危機感を育てるグレーの部分に関わることも必要であります。
学校側は生徒のケータイ所持をどう受け止めればいいのでしょうか?
完全に持ち込み禁止とすると、どうしても隠れて持ち込もうとして不正をしようとする人が出て逆効果にもなります。
それならば持ってきてもいいが、登校時に必ず預け下校時に返すなどのルールをつくった方がいいです。
ルールを破ったということで学校側がケータイを取り上げると、場合によっては親が「安全確保の損失」や「使用できない期間の使用料金の請求」などのクレームをするケースがあります。
ルールを守らなければ取り上げるという方法以外のペナルティを与えたほうがいいです。
(反省文を書かせたり、掃除をさせるなどしてクリアすると返却します。そっちの方が子どもたちにとって、ある意味取り上げるより嫌なペナルティになります。)
家族の中でもルールをつくってケータイを持たせることが大事です。
まず親であっても勝手にケータイを見ないで見たかったら「見せて」というとか、電話料金やロック機能などの面でもルールをつくるということです。
子どもたちとコミュニュケーションを持ちながらケータイやインターネットの使い方を話し合うということが大切であります。
(以上、私の記憶による内容の要約です。尾花さん、不十分で申し訳ありません。)
子どもたちとケータイ&インターネット
未来の担い手を育むための大切な2つのポイント
安全な環境を与えておくことの大切さ
セミナーの様子
日時:2011年5月22日(日)17:00〜18:00
会場:大分大学教育福祉科学部附属中学校
尾花さんの視点は奥が深いと思いました。
確かに子どもたちから携帯電話を取り上げるのは大人にとって手っ取り早く都合のいい方法です。
正しい使い方を教えて正しい使い方をして初めて問題の本質が解決します。
それは、順位をつけることがよくないという理由で運動会で徒競走が廃止された例があるのと同様です。
本当は順位をつけたうえで、順位が下位の者に対しても一生懸命に頑張ったことを認め合い、褒めたたえる関係性を育むことの方が大切なのに、そのことを放棄するようなものです。
また、学校の対応のノウハウなどについては「子どもたちの心理をよく理解されているなあ」と感心しました。
その経歴から華やかなキャリアウーマン的なイメージの尾花さんですが、ITのノウハウに精通しておられるだけでなく、2児の子を持つ主婦目線、母親目線をもったうえで研究されているので説得力がありました。
現在、ウチの子どもが通う中学校、小学校とも携帯電話の学校への持ち込みは禁止としています。
確かに都会、地方都市、郡部などで状況は違うと思いますが、ケータイやインターネットをどのように受け止めていくのかということは大切な視点であります。
また、携帯電話は受信アンテナが3本立ってる時よりも圏外の時の方がバッテリーを消費することなどの「なるほど話」や内閣府や文科省の話もお聞かせいただきました。
私もこのBlogをはじめ、FacebookやTwitterなどインターネットやSNSにどっぷり漬かった生活をしている一人ですが、関われば関わるほど慎重さと責任を持つことが必要だということを痛感しています。
今回は1時間という短い時間で「もっとお聞きしたい」という思いを残しました。
また今回は主にPTA役員対象の小規模なセミナーでしたが、保護者対象の講演や研修というかたちのものが開かれることも望まれていると思います。
幼稚園、小学校、中学、高校で内容も異なるとは思いますが、是非尾花さんのお話をお聞きする機会がもたれることを期待します。
尾花さんは非常にお忙しいとお聞きしてますが、時間が合えば大分に駆けつけてくださるとおっしゃってくださいました。
尾花紀子さん共著「子どもといっしょに安心インターネット」(岩波書店
この日は、尾花さんを囲んで懇親会の席を開きました。
昼間あった「ケータイ甲子園」がすごかったという話で盛り上がりました。
懇親会に続き2次会までお付き合いいただき、有意義な時間を過ごさせていただきました。
尾花さん、ありがとうございました。
尾花さんのセミナーを前に、PTA役員のIT勉強会が行われました

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